網戸の取り付けを自分で行う際、作業手順にばかり目が行きがちですが、実はその成否を大きく左右するのが道具選びです。適切な道具を揃えることで、作業は驚くほどスムーズに進み、仕上がりの質も格段に向上します。逆に言えば、道具をおろそかにすると、余計な時間がかかったり、最悪の場合は網戸や窓枠を傷つけてしまったりすることにもなりかねません。まず、絶対に欠かせないのがメジャーです。特に、金属製でストッパー機能がついているコンベックスタイプのメジャーをお勧めします。布製のメジャーでは正確な測定が難しく、これがサイズ間違いという最も致命的な失敗を引き起こす原因となります。測定する際は、メジャーがたわんだり曲がったりしないように、ピンと張った状態で数値を読み取ることが重要です。次に必要なのがドライバーです。網戸の外れ止めを調整する際に使用します。ここで大切なのは、ネジの頭のサイズに合ったドライバーを選ぶことです。サイズが合わないドライバーを使うと、ネジ山を潰してしまう可能性があります。一度ネジ山が潰れてしまうと、ネジを締めたり緩めたりすることができなくなり、調整が非常に困難になります。プラスドライバーとマイナスドライバーの両方がセットになったものを用意しておくと、どんなタイプのネジにも対応できて安心です。そして、意外と見落としがちですが、作業効率を格段に上げてくれるのが掃除道具です。網戸を取り付けるレールには、砂やホコリ、枯れ葉などが溜まっていることがよくあります。これらを取り除くために、使い古しの歯ブラシやサッシ用のブラシ、そして雑巾を用意しましょう。レールを綺麗にしておくだけで、網戸の滑りが全く違ってきます。これらの基本的な道具に加えて、作業用の手袋があれば、手の汚れを防ぎ、安全に作業を進めることができます。高価な電動工具などは必ずしも必要ありません。基本的な道具を正しく選び、丁寧に使うことこそが、網戸取り付けを成功に導く一番の近道なのです。