リビングのリフォームにおいて、空間の雰囲気や快適性を劇的に変える力を持っているにもかかわらず、意外と後回しにされがちなのが「照明計画」です。多くの日本の住宅では、天井の真ん中にシーリングライトが一つだけ設置されている「一室一灯」の照明が主流ですが、これでは部屋全体が均一に照らされ、のっぺりとした味気ない空間になりがちです。リフォームを機に照明計画を見直すことで、リビングはもっとおしゃれで、もっと心地よい、上質なくつろぎの空間へと生まれ変わります。理想のリビング照明の基本は、一つの照明で全体を照らすのではなく、複数の照明を組み合わせて、必要な場所に、必要なあかりを配置する「多灯分散」という考え方です。これにより、空間に光の濃淡、つまり陰影が生まれ、部屋に奥行きと立体感が生まれるのです。具体的な手法としては、まず、部屋全体の基本的な明るさを確保するための「主照明」として、天井に複数の「ダウンライト」を埋め込むのがおすすめです。シーリングライトのように器具が天井から出っ張らないため、空間がすっきりと広く見えます。ダウンライトは、光の広がり方や、角度を変えられるタイプなど種類も豊富で、照らしたい場所に合わせて効果的に配置することができます。次に、特定の場所や作業をサポートするための「補助照明」をプラスします。例えば、ダイニングテーブルの上には、食卓を美しく照らし出す「ペンダントライト」を低めに吊るします。これにより、食事の時間がより楽しく、特別なものになります。ソファの横には、読書灯として「フロアスタンド」を置いたり、壁に飾った絵や写真を照らすために「スポットライト」を取り付けたりするのも効果的です。そして、くつろぎの雰囲気を演出する上で最も重要なのが「間接照明」です。これは、光源を直接見せるのではなく、光を壁や天井に当て、その反射光で空間を柔らかく照らす手法です。天井の縁や、テレビボードの下、壁際に光源を仕込むことで、眩しさを感じさせない、ホテルやラウンジのような落ち着いた光の空間を作り出すことができます。