我が家のキッチンが新築から20年を迎えたとき、私はようやく重い腰を上げてリフォームを決断しました。それまでもコンロの火がつきにくくなったり、換気扇の音が大きくなったりと、小さな予兆はいくつもありましたが、「まだ使える」と自分に言い聞かせて騙し騙し使い続けてきました。しかし、ある日シンク下を整理していたときに、わずかな湿気とカビの臭いを感じたのが決定打となりました。調べてみると、長年の排水の漏れがわずかに床に染み込んでいたのです。いざリフォームを始めてみると、古いシステムキッチンを撤去した後の床下は、想像以上に劣化が進んでいました。もしあと五年放置していたら、床の張り替えだけでなく土台の補修に多額の追加費用がかかっていたと言われ、ぞっとしたのを覚えています。リフォームのプロセスでは、ショールームを回り、今のキッチンがいかに進化しているかに驚かされました。昔は開き戸だった収納がすべて奥まで見渡せる引き出し式になり、腰をかがめる動作が激減しました。食洗機も深型を導入したことで、家族四人分の食器が一度に片付くようになり、夕食後の時間にゆとりが生まれました。今回の経験で痛感したのは、キッチンリフォームは何年経ったから行うという単なる数字の問題ではなく、住まいを健康な状態で維持するための「予防医療」のようなものだということです。20年という月日は、見た目の汚れだけでなく、確実に目に見えない部分を蝕んでいます。リフォームを終えた今、新しくなった明るいキッチンに立つと、もっと早く踏み切っていれば良かったと感じます。家事が楽しくなるのはもちろん、水漏れの不安から解放された心の安らぎは何物にも代えがたいものです。これからリフォームを考えている方には、不具合が致命的になる前に、勇気を持って一歩を踏み出すことを強くお勧めします。初期投資はかかりますが、長期的な視点で見れば、それは地球環境への配慮と、自分たちの健やかな暮らしを守るための確かな投資となるはずです。
築20年で決断したキッチンリフォームの体験談