居住中のリフォームで最も悩まされるのは、目に見えないほど細かな「工事の粉塵」です。壁を一枚解体するだけでも、驚くほどの埃が舞い上がり、それがドアの隙間や換気口を通じて家中の家具や衣類に付着します。家財を守るためには、業者に任せっきりにするのではなく、自分たちでも徹底した養生を施すことが不可欠です。まず、工事現場に近い家具は、可能な限り別の部屋へ移動させましょう。動かせない大きな家具や電化製品は、ポリシートや古い毛布ですき間なく覆い、ガムテープで固定します。特にピアノや精密機器、大切な本棚などは、二重に養生することをお勧めします。また、床の養生は業者が行いますが、自分たちの生活動線と重なる場所には、滑りにくい養生マットを追加で敷いておくと、汚れの拡散を防ぐことができます。工事期間中の掃除は、毎日が戦いです。一日の作業が終わった後は、業者が清掃を行いますが、どうしても取り切れない粉塵が残ります。この微細な埃を放置すると、住んでいる人の呼吸器に悪影響を及ぼしたり、床を傷つけたりするため、HEPAフィルター付きの掃除機や、濡れ雑巾を使った拭き掃除をこまめに行う必要があります。空気清浄機を最大稼働させることも一定の効果がありますが、フィルターがすぐに目詰まりするため、こまめなメンテナンスが欠かせません。カーテンや布製品は埃を吸着しやすいため、工事期間中は取り外しておくか、ビニールで覆っておくのが正解です。また、玄関には土足の汚れを持ち込まないためのマットを複数枚敷き、こまめに交換することで、家全体への汚れの広がりを抑えられます。こうした手間は非常に大変ですが、家財が守られているという安心感があれば、工事中の不便さにも耐えやすくなります。自分の大切な物を自分たちの手で守るという意識が、リフォーム完了後の掃除を楽にし、新しい空間での生活をスムーズにスタートさせるための第一歩となります。養生のひと手間が、結果として家全体の資産価値と清潔さを守ることに繋がるのです。
住みながらのリフォームで家財を守る徹底した養生と掃除の術