壁紙リフォームを自分の手で行う際、最も軽視されがちでありながら、最も重要な工程が「下地の作成」です。新しい壁紙を貼る作業は華やかで変化も大きいですが、その美しさを十年後まで持続させ、表面を滑らかに見せるのは、その下に隠れる下地の状態に他なりません。古い壁紙を剥がした後、壁面には以前の裏紙が薄く残ります。この裏紙が浮いている箇所があれば、必ず取り除かなければなりません。浮いたまま上から新しい壁紙を貼ると、糊の水分を含んでさらに大きく浮き上がり、表面にボコボコとした気泡のような跡を作ってしまうからです。また、石膏ボードの継ぎ目やネジの跡、あるいは何かにぶつけてできた凹みなどは、パテを使って丁寧に埋めていく必要があります。パテは一度に厚く塗りすぎると乾燥時にひび割れが生じるため、薄く二回から三回に分けて重ね塗りするのが理想的です。乾燥後はサンダーややすりを使って、指先で触れても境目が分からないほど滑らかに削り上げます。この際に出る大量の粉塵を掃除する手間はかかりますが、このひと手間を惜しむと、どんなに高価で美しい壁紙を貼っても、光の当たり方次第で下地の凸凹が透けて見えてしまい、手作り感という名の「粗」が目立つ結果となってしまいます。特に、最近人気の薄手のクロスや、光沢のある無地の壁紙は、下地の不備を非常に顕著に映し出します。逆に、厚手の織物調や凹凸のある柄物を選べば、多少の下地の荒れはカバーしやすくなります。自分の技術レベルに合わせて素材を選ぶことも、賢いリフォーム戦略の一つと言えるでしょう。壁紙リフォームとは、単に表面のシートを交換する作業ではなく、壁という土台を整え、そこに新しい皮膚を纏わせるようなプロセスです。下地を制する者は壁紙リフォームを制すと言っても過言ではありません。土台を整えるという地道な作業に敬意を払い、丁寧に準備を進めることで、完成した瞬間の美しさは何倍にも輝き、長く住まう人を満足させてくれることでしょう。
下地処理が成功を左右する壁紙リフォームの注意点