築30年を超える古い木造の一軒家に住み始めてから、毎夏のように悩まされてきたのが、どこからともなく侵入してくる小さな虫たちでした。特に夜、部屋の明かりに誘われて網戸にびっしりと虫が寄り付き、朝起きるとその何匹かが室内で息絶えているのを見るのは、精神的にもかなりの苦痛でした。網戸に穴はないし、しっかりと閉めているつもりなのにどうして、という疑問を抱きながら、ある晴れた日の午後に網戸を徹底的に調査することにしたのです。そこで私が目にしたのは、長年の歳月によって家全体がわずかに傾き、サッシの枠が平行四辺形に歪んでしまったことで生じた、絶望的なほど大きな網戸の隙間でした。網戸を閉めても上部はぴったり付いているのに、下部には一センチ近い隙間が開いていました。これでは網戸本来の役割を果たせるはずがありません。私はまず、網戸の下部にある戸車の調整ネジを回し、網戸を少しだけ持ち上げるようにして傾きを補正しました。これだけで隙間の半分は埋まりましたが、それでもまだ数ミリの空間が残ります。そこで次に活用したのが、ホームセンターで購入した厚手の隙間テープでした。サッシの枠側にこのクッション性の高いテープを貼り付けることで、歪んだ網戸の枠が当たった際にテープがその形に合わせて変形し、隙間を物理的にシャットアウトすることに成功したのです。さらに、網戸の側面にあるモヘアがボロボロになっていたため、これも新しいものに貼り替えました。作業を終えて網戸を閉めた瞬間、それまでのガタつきが消え、吸い付くようにサッシと密着したときの手応えは、今でも忘れられないほどの快感でした。その夜、窓を全開にしていても室内に入ってくる虫は激減し、私は数年ぶりに安眠を手に入れることができました。古い家だから仕方ないと諦めるのではなく、現状に合わせて網戸の隙間を埋める工夫をすることが、これほどまでに生活の質を高めてくれるとは思いませんでした。小さな隙間一つが安眠を妨げ、それを取り除くことが住まいへの愛着を再び深めるきっかけになったという、私にとって忘れられない夏の一日の記録です。
築年数の経った家で網戸の隙間を塞いだ私の奮闘記