リフォームを依頼する際、施主側が法的に最も注意を払うべき点は、工事が予定通り終わらなかった場合の対応と、完成後に見つかった不具合への補償です。これらを法的に担保するのが、リフォーム契約書における遅延損害金と瑕疵担保責任の条項です。まず、遅延損害金については、工事が完了予定日を過ぎた場合に、一日あたり請負代金の数パーセントを損害金として支払うよう定めることが可能です。これは業者に対する心理的なプレッシャーとなるだけでなく、実際に引っ越しが遅れて発生したホテル代や倉庫代などの実損害を填補するための重要な根拠となります。契約書にこの記載がない場合、実損害の証明に苦労することになるため、明確な計算式と共に盛り込んでおくべきです。次に、瑕疵担保責任ですが、令和二年の民法改正により「契約不適合責任」という名称に変わりました。これは、引き渡された住宅が種類、品質、数量において契約の内容と適合しない場合に、追完請求(修理)、代金減額請求、契約解除、そして損害賠償請求ができるというものです。契約書においては、この責任を負う期間を「引き渡しから一年」などと限定する特約が設けられることがありますが、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分については、住宅瑕疵担保履行法に基づき、最低でも十年の保証が義務付けられている場合があります。リフォームの内容が大規模なものであれば、業者が瑕疵保険に加入しているかを確認し、その保険証券の写しをリフォーム契約書に添付させることも、非常に有効な自己防衛策となります。法的な知識は、自分を守る武器となります。契約書に並ぶ難しい言葉を鵜呑みにせず、それが現在の法律に照らして正当なものか、自分に不当な不利益を強いるものでないかを、一つひとつ法律の定規で測っていく作業が求められます。確かな法的根拠に基づいた契約書を交わすことで、初めて安心して住まいの再生をプロに委ねることができるようになるのです。
リフォーム契約書に記載すべき遅延損害金と瑕疵担保責任の法的知識