戸建てリフォームの見積書を受け取った際、多くの人が記載された金額がすべてだと思い込んでしまいますが、実はそこに含まれていない「隠れた出費」が工事の進行とともに浮上してくることが多々あります。リフォームの現場を知り尽くした専門家が最も注意を促すのは、壁の裏や床下の状況による追加工事です。マンションとは異なり、戸建ては一軒ごとに工法や過去のメンテナンス履歴が異なるため、実際に解体してみないと分からない問題が必ずと言っていいほど潜んでいます。特に、浴室周囲の土台の腐食や、外壁からの微細な雨漏りによる柱の劣化、あるいは旧耐震基準の建物に見られる接合部の強度の不足などは、安全性を確保するために避けて通れない補修となり、数十万円単位で費用を押し上げる要因となります。また、屋外の給排水管の老朽化も忘れがちなポイントです。室内を綺麗にリフォームしても、地中の配管が錆びていたり詰まりやすかったりすれば、数年後に庭を掘り返しての大掛かりな修理が必要になります。さらに、リフォーム期間中の仮住まい費用や引っ越し代、大型家具の一時保管料といった付帯費用も、戸建てリフォーム費用の予算に含めておかなければなりません。家全体の工事となれば数ヶ月の期間を要するため、仮住まいの家賃だけでなく、敷金礼金や駐車場代も無視できない金額になります。意外なところでは、カーテンや照明器具、エアコンの買い替え費用、さらには新しくなった空間に合わせた家具の購入費用なども、最終的な満足度を左右する大きな出費となります。これらを防ぐためには、見積もり段階で「不測の事態のための予備費」として、総額の一割から二割程度をあらかじめ別枠で管理しておくことが鉄則です。契約前の現地調査をどれだけ綿密に行うかが隠れた出費を抑える鍵となりますが、それでもゼロにはできないのがリフォームの宿命です。不測の事態を想定内に含めておく余裕こそが、トラブルを避け、円満に工事を完了させるための知恵と言えるでしょう。
専門家が明かす戸建てリフォーム費用で見落としがちな隠れた出費